笑って暮らそう

アラフィフ主婦の『人生笑ったもん勝ち』な日々の記録です

受験終了!良く頑張ったね(*^_^*)

試験前日の夕方頃に学校から電話がありました。

「明日の入学選考は時間を変更して午後から行います。」

との事。

 

窓の外は絶賛降雪中だったので

もちろん少しホッとはしたのですが…

それでも

「これ、明日駅まで歩いて行けるかな?」

と、頭の中でイメージトレーニング(?)しつつ

1人で外を歩く練習などしてみました。

(どの靴が安全か試しながら近所を散策。歩き方も研究したりして…。怪しい人ですね。)

 

 

そんな時に思いがけず強い味方(?)からのLINEが!!

送り主は夫です。

「あまりに雪が降ってるから、明日有給を貰えるように頼んだよ。」

「送迎するから心配しないで。」

との嬉しいメッセージです。

 

これはもう『神の言葉』!

急な有休をとるなど絶対無理だと思ってたので

特にお願いはしていなかったのですが

私の運転技術を知っている夫は

「たとえスタッドレスタイヤでも絶対事故だ!」

と判断してくれたようです。

(悔しいが、その通りで…。)

 

 

 

夕方、放課後デイサービスから帰宅した娘に

「明日は試験の時間がお昼過ぎからになったから、朝はゆっくりだよ。」

「そのうえパパがお仕事を休んでくれたから車で送ってくれるよ。ホッとしたよね。」

と話し掛けてみたのですが…。

反応はありません。

俯いたままで、これ以上無いほど憂鬱な顔です。

無言で洗面所へ向かい、ひたすら手を洗い続けていました。

 

あぁ…、緊張マックス不安1000%だな。

話したくないのではなく、言葉も出ないほど明日が恐くて心配なんだよね。

娘の気持ちが伝わってきます。

静かだけれど、娘の心は殆どパニック状態でした。

 

「明日はいつもの学校はお休みだから、宿題の学習プリントはやらなくて大丈夫だよ。」

「寒かったからね。お風呂が沸いてるから入ってゆっくり温まりな。」

とだけ声を掛けて、私は台所へ戻り夕食の支度を始めました。

 

 

夕食時には娘の様子を見て

何とか笑わせてやりたい、気持ちを楽にさせてやりたい

と思ったに違いないパパが

「大丈夫だから。大したことじゃないよ。」

「明日の今頃はもう終わってるよ。」

「落とされる事は無いから(?)心配するな。」

などなど

面白おかしく話し掛けてはみるのですが…。

 

娘の表情は晴れず

どちらかと言えば

『パパ、うるさいからやめて!』

とでも言い足そうな顔をしてました。

(パパ、非常に申し訳無い…)

 

そりゃそうなんです。

パパが娘を思う気持ちは分かるけど、自閉症の娘にしたら

合格するとかしないとかが不安な訳では無いのです。

受験という未知の体験自体が極端に不安で恐怖なわけで。

 

とにかくさっさと体験してしまう事。

受験ってこういうものなのかと身を以て知る事。

これ以上の解決策は無いのでした。

 

 

 

翌日、雪はすっかり止んでいましたが

外は真っ白。

朝1番から夫婦で雪かきに励み

娘は無言ながら、しっかりとご飯を食べて

昼頃学校へと向かいました。

 

 

 

あいにくの雨模様でしたが

校門前には既に数組の親子が並んでいました。

この時受験人数は知らされていなかったのですが

結果的には40人を少し越える位の子供達が集まっていました。

特別支援学校の中学部3年生は全員で20人程ですから

学区の支援学級で学んできたであろう子供達も20人位

と言う事になります。

 

小学部の1年生から中学部の3年生まで、20人程度の仲間とずっと一緒に

過ごしてきたのが支援学校の子供達です。

これだけの少人数でずっと一緒に過ごすと、子供達も親ももう親戚みたいです。

 

なのにこの日はいつもの約2倍の人数が集まっていました。

これは子供達にとっては『一大事』です。

我が子だけでなく、どの子も皆緊張と不安でいっぱいの様子でした。

 

娘に至っては、家を出て以来

何を言っても返事が返ってくる事はなく

無表情のままでした。

 

『まぁ、そうなるよね。』

と、あまりうるさい事は言わずにおきました。

 

 

 

間もなく娘を担当して下さる先生が迎えに来てくれて

その先生の後を追うように娘は別室へと消えていきました。

 

本来は

「頑張れ~!」

と力強く送り出すものなのでしょう。

 

けれど

その時の私は

『ありのままを見せておいで。今でもう既に精一杯頑張ってるもんね。』

と、自分でも意外なほど静かな気持ちで送り出しました。

『こんなふうに思うんだなあ、私』

と自分自身も新しい体験をした気分です。

 

娘が受験している間に親も先生と面接をして

志望動機、子供の性格、配慮が必要な事、などなど

伝えておきたいことをいろいろお話ししました。

1人当たり20分なので

『まだまだ伝えたい事が…』

という気もしましたが

親の思いを全部!などと言ったら止まらなくなってしまいそうです。

これ位がちょうど良い長さなのでしょうね。

 

 

 

約3時間後

娘が担当の先生に連れられて

親が待っている控え室に戻ってきました。

出て行った時と変わらず無言で

少しホッとしたような疲れたような顔をして。

 

「お疲れ様。頑張ったね。」

声を掛けても口を開かない娘の肩を抱いて

学校を後にしました。

 

外で待っていてくれたパパの車に乗り込み

娘の『受験』が無事終了しました。

 

「途中で水分を補給できるように」

と学校から指示で持たせた水筒は

中身が全く減っていませんでした。

たぶん水分補給まで気が回らなかったのでしょう。

 

その水筒から娘の頑張りが伝わってくるようで

返事が返ってこなくてもたくさん褒めました。

 

 

 

その夜は久しぶりに娘の好きな

近所のイタリアンレストランに出掛けました。

受験の内容を聞いても一切教えてはくれない娘ですが

夕食はデザートまでたっぷり食べて満足そうな顔です。

やっと少し安心した様子の娘にこちらも安心できました。

 

 

 

いつも夜は9時頃に寝室に向かう娘。

この日は8時を少し過ぎたら『もう限界…』とばかりに居眠りを始め

あっという間にグッスリ眠ってしまいました。

 

「娘よ、今日は本当にお疲れ様でした。」

 

 

 

以上が我が家にとって恐らく最初で最後の『受験』の1日です。

すっかり長くなってしまいました。

今はまだ『2度とやりたくない事』でしょうが

いつかは娘にとってもこの1日が懐かしい思い出になるのでしょうか?

頑張った事が小さな自信に変わってくれたなら母はとっても幸せです♡

 

雪に埋もれて潰れた庭のビオラ。陽の光に当たってすっかり元気です。逞しい!