笑って暮らそう

アラフィフ主婦の『人生笑ったもん勝ち』な日々の記録です

親子の週末の駆け引きと大好きな飛行機

週末が近づいてくると娘と私の駆け引きが始まります。

 

まずは何気なく…

 

娘  「ママ、今週のお休みはどこ行く?」

 

私  「別に決まってないけど。スーパーにお買い物には行くかな。」

 

娘  「あとは?お買い物終わったらどうする?」

 

私  「お家に帰ってくるよ。何か他に用事ある?」

 

この質問に娘がニヤッと笑って目線をそらしたら

もう心の中で『お出かけ作戦』を考えているのは間違い無いです。

 

大体の場合

娘の頭の中は大好きな、恐らくこの世で1番大好きな『あれ』で頭の中はいっぱいです。

あれとは…

 

そう、空飛ぶ乗り物『飛行機』!

娘は大の飛行機マニアなのです。

 

もちろん、乗るわけではありません。

そんな気軽に乗れやしません。

ひたすら眺めるのみです。

 

夏は炎天下で汗を拭いながら、冬は寒さに震えながら…

延々と空を眺め続けるのが娘にとっては至福の時のようです。

 

 

そもそもの始まりは数年前のお正月休みでした。

お昼ご飯も終わってのんびりしていた時のこと。

夫がポロッと言ったのです。

 

夫 「今日は時間があるから、どこか行こうか?」

 

私 「初詣も行ったしなぁ…。どうしよう?」

 

夫 「実はちょっと行ってみたい所があるんだ。空港の近くにある道の駅なんだけど、丘になってるところから滑走路が丸見えなんだって。飛行機の離着陸がすごく良く見えるらしい。」

 

私 「じゃあ行ってみようよ!」

 

 

我が家の場合、初めて行く場所を決める時には少しだけ注意が必要です。

何故なら、娘は人混みが極端に苦手だから。

休日は何かの訓練では無いので、娘がなるべくリラックスして楽しめる場所が1番なのです。

 

例えば、お正月のショッピングモールなんて、年頃の女の子には1番楽しい場所だと思うのですが娘にとっては緊張して疲れる場所でしかありません。

同じ理由でアミューズメントパークも完全にアウトです。

 

そのようなわけで、私達も無理に賑やかな場所に連れ出す事はしないで来ました。

けれど『道の駅』しかも外です。

飛行機がきれいに見える場所ならきっと楽しめるかも!

 

 

早速ちょっと心配そうな娘を促して家族3人車で出発したのでした。

 

 

そして、到着したのは…

大きな桜の木が道沿いに立ち並んでいる小高い丘。

目の前には空港の滑走路がはるか遠くまで続いています。

こんな景色は始めて見ました。

想像していた以上の美しさに大人の私でも感動でした。

もちろん娘にとっても人生初めての光景です。

目をキラキラ輝かせて、何とも嬉しそうな表情の娘を見て

こちらは、心の中で『やった~♡』とガッツポーズ!をしました。

 

もちろん季節は真冬です。

風が吹き抜ける丘の上はとにかく寒くて寒くて…。

それでもこの日ばかりは、日が暮れるまでずっと

飛んで来る、そして飛んでいく飛行機の美しさに

ドキドキしながら親子でたくさん手を振りました。

 

帰りには道の駅に入っている航空ショップで

世界の旅客機が載っているガイドを購入し

「こんな場所があるなんて!」

と、家族3人大喜びで帰宅したのでした。

 

 

あれから数年…。

 

今や娘は親のスマホにインストールされたフライトレコーダーアプリを使いこなし

尾翼の写真を見ただけで、航空会社名が分かるようになってしまいました。

 

日本の地名だってほとんど分からないのに、飛行機を見ただけでそれがどこの国の航空会社なのかを教えてくれるようになってしまったのです。

 

算数だってあまり理解していないのに、お気に入りの飛行機があと何分で離陸するはずだと、そんな計算はできるらしいです。

 

『好き』の力って凄いなあと思います。

 

自閉症児は興味を持った事には極端に夢中になってしまい、他の事が目に入らなくなってしまう事がある』と

言われています。

私はそれを困った事ではなく、1つの才能だと思ってあげたいです。

そんな大好きに巡り合えた事は

『本当に良かったね!』

と思うのです。

 

 

ですが…

 

我が家から空港まで、実は結構遠いのです。

片道およそ2時間。

つまり往復の移動時間だけで4時間です。

 

すっかり飛行機に魅せられてしまった娘の気持ちに答え

特に予定が無い週末には毎週通い続け、半年も経った頃…。

実は私、そっとメンバーからはずしてもらいました。

 

毎回ずーっと立ち続けて4~5時間くらい。

ひたすら飛行機を目で追いかけるのって

正直結構疲れるのです。

 

『腰が痛い…首が痛い…もう座りたい…』

などなど。

情けない話ですね…。

(ちなみに娘は決して飽きると言うことがありません。

大変な集中力で何時間でもいけるようで。)

 

私はもう一生分飛行機を見ちゃったんじゃないかと…。

「充分いただきました!ごちそうさま。」

と言いたい気分です。

 

そう、あんなに感動していたのに…

ここで親1名離脱となったのでした。

 

 

そして現在…

さすがに飛行機見物は1ヶ月に多くても2回と回数を決めました。

(娘はもちろん不満だと思いますが、親も人間なので勘弁して貰いました。)

 

あらかじめ予定をカレンダーに書き込み

それを何度でも見る事で娘も理解しやすいようにしたのです。

 

そして、夫は相変わらず娘の運転手兼責任者として一緒に出掛けてくれてます。

(夫も本当は既にお腹いっぱいだとか…。いつもありがとうね。)

 

 

娘が私に週末の予定を確認する時

頭の中では

『今週飛行機行けないかな?本当は予定に無いけど何とかならないかなぁ?』

という思いが駆け巡ってるのでしょう。

一緒に行かないはずの私に言うのは

『ママから何とかパパに頼んでみてよ。』

と言う事みたいです。

 

「そんなに行っていられないよ。予定では来週のはずでしょ?」

そう返すと、娘は実に分かり易く落ち込むのですが…

 

ルールを守る事も大切なので

なるべく先に決めた予定通りに行動するようにはしています。

けれど、時には娘の思いに負けて

私までもがパパと交渉するはめになる事もあったりして。

 

 

そうは言っても、最近は以前よりだいぶ約束が守れるようになってきました。

 

本来なら中学3年生の週末と言ったら

親にはお小遣いを貰うだけで、お出掛けするのはお友達と一緒

なのかなあと思います。

でも娘の場合はそれが難しいので…。

 

 

いつかは、娘も親から離れて

お友達と何人かでお出掛けが出来るようになるのでしょうか。

そうしたら今よりずっと世界が広がって楽しくなるのだろうと思います。

そんな日が将来訪れる事を願いつつ

『今はまだ親と出掛けてくれる娘との時間を楽しめるのだから感謝!』

なのかも知れません。

 

『物は考えよう』

と言うことで。

 

さあ、今週も間もなく週末がやってきます。

いったいどうなることやら…。

大好きな飛行機『フライングホヌ♡』

今度は久しぶりに私も一緒に出掛けてみようかと思います。